2016/3 No.460
<京都教区時報 2016年3月号目次>

・1 2016年 司教年頭書簡  御父のように、いつくしみ深く
      ~いつくしみの特別聖年を歩む~ 
 
      

・2 トマス・アクィナス 村上透磨神父 司祭叙階50周年 感謝ミサ

・3 社会と共に歩む教会
  「滋賀刑務所での教誨奉仕」花井 拓夫神父
 


・4 信徒養成講座 『現代世界憲章』から学ぶ
         第2回 「婚姻と家庭の尊さ」


・5 2015年 中学生会冬合宿

・5 大塚司教 3月のスケジュール

・7 3月のお知らせ

  



2016年 司教年頭書簡
御父のように、いつくしみ深く
   ~いつくしみの特別聖年を歩む~
    
    村上 透磨   
 

 司教の今年の年頭書簡は、特別聖年公布の大勅書「イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔」に応えて出された事は、承知していただいていると思います。今年も前年に続いて年頭書簡の解説(?)をお送りする事になり先月号では、全体の構成を私なりにまとめました。この全体の流れを頭に入れてご一緒に考えてみたいと思います。

 先ず、第一の戸惑いは「ミゼルコルディア」という言葉をどう訳すかという問題です
 ヘブライ語では、主に「ラハヒム」と「ヘセド」という言葉が多く使われます。(この解説は、ヨハネ・パウロ二世「いつくしみ深い神」注(52)、また、先月号で紹介した司教書簡「解説書」《いつくしみの特別聖年に、知っておきたいこと》参照)。この二つの語の持つ意味は、あわれみ、いつくしみ、慈悲、慈愛、誠実(まこと)、同情、共観……など、多義にわたるものです。「心と心の愛のゆらぎ合い」、神の心と人の心が、その魂(存在の奥底)でゆらぐ神の息吹、神の霊、愛、命……を表します。でも本当は、この神秘をどう表してよいのか分からない。言葉にした途端、色あせてしまうようなそんな奥深さがある。

 さて「ミゼルコルディエ・ヴルトゥス・ディ」は「御父のいつくしみのみ顔」と訳されていますが、それは「御父は見えない」が「イエスを見れば、御父とそのみ心、愛が見える」。つまり、イエスが中心なのだという事を見落としてはならない。「神は愛」そのものに在すけれど御子イエスの姿を通してはじめて、はっきり見えてくるといっている事を忘れてはならないと思います。

 確かに、御父は本質的にあわれみの神、人間の側に何が起ころうとも変わらない、、愛であり続ける。人間が神を忘れたり、離れたり、見捨てたりしても決してその愛は変わらない。

 御子イエス・キリストと聖霊は、その愛の徴「秘跡」なのです。だから聖霊によって、キリストが示され、キリストによって御父が示されない限り、御父の御顔はあらわれないのです。

 更に、もう一つ確認しておきたいことは、聖書において「正義と愛」は矛盾も対立もしないという事です。よく旧約の御父は正義で裁く神。それに対して新約の神は「愛とゆるしの神」であることを御子キリストを通して示されたのだというのです。でもこれは余りにも短絡的な神理解でしょう。その事は順を追って示されるでしょう。こういう「裁きの神・父」と「ゆるしの神キリスト」を峻厳に分けて語る事が多かった霊性の中で、幼きイエスのテレジアは、その誤解を見事に看破しているのです。

 「私は神のあわれみにも信頼していますが、正義にも信頼しています」と、聖女は、神は本質的に「あわれみであり、そのあわれみが正しく示される時、神の正義」が実現すること、「正義」の本質的な意味を直観していたのです。
 以上のようなことを確認して、私なりに理解したことを書かせていただきたいと思います。

1.いつくしみの神との交わり

 先ずこのテーマから少し考えてみます。
 「神との交わり」という言葉はとても大切です。「あわれみ」にしても「正義」にしても、いずれも「関わり」(交わり)」としてとらえねばなりません。一切の徳にしても恵みにしても、そういうものが抽象的に存在すると思われています。「神の義」というのは「神の差し出される愛の関わりが正しく実現する」という意味なのであり、それは殆ど愛と同意語になります。その関わりは創造の時に始まり、罪をおかしても、主(かみ)はそのあわれみといつくしみから去る事になり、罪を犯した場合それは、ゆるしとなってあらわれるというのです。この神の愛を「神の誠実」とも言います。それは、神が創造のはじめに、神が約束した善の思い(計画)を決して違えないという事です。それを神が、モーセを通して結んだ契約の言葉にあらわれます。それが、ここに引用される出エジプト34・6~7の言葉です(これが契約の基本的な言葉です)。

 私は「主」である、私の名は「あわれみと恵みに富むのである。それは忍耐強くいつくしみとまことに満ちるものである。そのため私の悲しみは幾千代(永遠にも及ぶ)、その約束として、罪と背きと過ちを赦すものである」と宣言する。神はそれを民がどんなに不忠を尽くそうとも守り続けます(ホセア2・21参照)。だから私たちはこのような神の「あわれみ」と「いつくしみ」に包まれて神に感謝せよ、そのあわれみは永遠に歌い、「主よ私をあわれんでください」と叫びつづけるのです。神はその嘆願の祈りに見事に応えて行きます。これが神と人との出会いの歴史(救いの歴史)であり、その頂点が、イエス・キリストなのです。
(村上 透磨)








 
 祝 トマス・アクィナス 村上 透磨 神父
 司祭叙階50周年 感謝ミサ


   
            
司祭団と共に

        
京都教区 信者一同からの霊的花束                          

   
    叙階の翌日
 ローマ聖ペトロ大聖堂にて
(左 透磨師  右 故 眞理雄師〈兄〉)


  1938年 5月26日 京都市内で生まれる

  1966年 1月 6日 教皇 福者パウロ六世により
           ローマ聖ペトロ大聖堂で司祭叙階
  2016年 1月 6日 司祭叙階50周年

 
 


   




    社会と共に歩む教会
滋賀刑務所での教誨奉仕
花井 拓夫神父
 

教誨奉仕
  
牢にいるのに訪ねてくれなかった(マタイ25・43) しかし、誰でもが刑務所に面会に行くことができるわけではありません。収容者が面会人として指定した方のみ面会ができます。
滋賀刑務所(大津)の教誨師をさせていただいています。滋賀刑務所は、おおむね初犯で刑期8年以下の人が収容されています。大阪矯正管区内で累犯の人は京都刑務所(山科)に、長期刑は大阪刑務所(堺)に収容されます。この一画には外国人のみの施設もあります。女性は、刑期に関係なく和歌山刑務所です。このほか医療刑務所や少年刑務所もあります。拘置所は、まだ刑の確定していない人や死刑を宣告された人が収容されています。最近、社会復帰センターという半官半民の施設が全国で4ヶ所設立されました。
これらの施設に各宗教から教誨師が奉仕しています。現在1850名が依嘱されて、カトリック関係は60数名です。

個人教誨
収容者がどの先生に会いたいか「ガンセン」を出します。願箋というメモ担当警官に提出します。悩み相談とか命日読経の願いとか、宗教的指導を受けたいとかです。しかし、順番待ちなどですぐ面接できないことも多々あります。
月1回の訪問で多い時は数名、少ない時で2~3名と話をします。面会室は一般の面接室ではなく、小さな応接室風に整備された4帖ほどの部屋で、立会はありません。対話の内容は秘密が守られています。

               
グループ教誨
 
 各宗派別に希望者を集めて行います。年に1度しかできません。ビデオを見てもらったり、キリスト教について話をしたりします。プロテスタントと交代でクリスマス行事をしています。簡単な儀式とご降誕の意味を話し後半は、コーロチェレステ(女声コーラス)のメンバーの協力でクリスマスキャロルと一般曲などで、清らかな歌声と好評です。30年間ご奉仕いただいています。

 教誨活動は一宗一派の宣教活動の場ではないので、教会に関心があるという人には帰住してから、近くのカトリック教会を訪ねるように言っています。
 教誨の効果はと問われても答えられません。あくまでも刑務所内だけの指導で、その後の追跡調査はありません。残念ながら一般的に再犯者は4割といわれています、薬物関係は7割とのことです。
 犯罪のない社会づくりへの教育、出所者の社会での好意的な受け入れがなされるように祈ってください。
 
 
  滋賀刑務所 庁舎 
 



   
  信徒養成講座

『現代世界憲章』から学ぶ
第2回 「婚姻と家庭の尊さ」
   
家庭における子どもとの関わり
    井上 新二 社会福祉法人 カトリック京都司教区カリタス会理事長
                     (京都市内公立小学校元校長、児童養護施設京都聖嬰会前施設長)


児童養護施設の入所理由から見えてくること

 子どもたちが児童養護施設に入所する主な理由は、保護者による虐待、保護者の疾病、経済的な理由、養育困難です。そして入所理由の多くを占める児童虐待には、身体的な虐待、ネグレクト、心理的な虐待、性的な虐待などがあります。
 日本全国の報告によると、施設に入所しているうちの60%を超える子どもたちが、虐待を受けています。京都市内の8施設、2乳児院においてその割合は80%を超えています。

 児童虐待は、それだけが単独で起こっているのではありません。その背景には、親の社会的孤立(子育ての不安、相談相手がいない等)や貧困(見通しの持てない不安、ゆとりのない生活等)があります。ある家庭では、仕事の不調で夫が精神的に落ち込み、さらに妻が精神的に追い詰められ鬱状態になり、子育てが上手くできず虐待してしまったということがありました。仕事の不調や病気をきっかけに、ある日突然歯車が狂ってしまうのです。これはどこの家庭でも起こりうることです。
 一方、児童相談所に虐待の疑いがあるという通告があっても、実際に虐待の認定をされて児童養護施設に入所する子どもは僅か4%前後です。残念ながら児童相談所も介入しきれないまま保護者が児童相談所の介入を拒否し、小さな子どもたちがベランダに放置され、最悪の場合、命を失うという事例も年に数件起きています。
社会や教会において、虐待は許さない、虐待を防止しようということは大切ですが、それが「虐待する親は許せない、虐待する親は本当に人なのか」という非難となって親の孤立をさらに深めます。虐待をして苦しんでいる親に対する無関心は大きな問題です。子どもだけでなく、虐待をしてしまった親も「小さくされた人」であると認識することが必要です。


子どもたちの現状

 児童養護施設の子どもたちにはいくつか気がかりな課題がみられます。周囲の大人に安心して頼ることは子どもの発達過程において大切なテーマですが、それが困難なのです。また施設という限られた空間、限られた情報の中で生活しているため、家族の有り様や家族が寄り添いながら生活していることをイメージできにくいのです。また虐待を受けた子どもの中には、自分が悪い子だから施設に入れられたと思っている子どもがいます。そういう子どもたちは自尊感情が低く、自分に自信が持てません。見通しが持てないという課題もあります。先の見えない中にいる子どもたちにとって、希望や意欲を持つことは難しいことです。
 今後、危惧されることは、まず退所後の子どもたちの行く末です。児童養護施設の子どもたちは、高校卒業(18才)までは様々な支援を受けられますが、退所後は支援がなくなり自立しなければなりません。さらに、いわゆる「虐待の連鎖」の問題があります。「虐待は連鎖する」とよく言われます。そのため、自分が虐待をしてしまうことを心配して、結婚への不安、子どもを持つことへの不安を感じている女の子もいます。虐待の連鎖の事実はありますが、それを断ち切ることも可能です。退所した子どもたちの中には暖かく素晴らしい家庭を築いている人たちがたくさんいます。一方で、危惧されるのがマイナスの連鎖です。いろいろな事情で低学力のままに置かれた子供たちは、多くの場合不安定な進路を選ばなければならず、その結果、多くは不安定な仕事に就き、不安定な生活を余儀なくされます。そして不安定な生活の中で、子どものために十分な教育環境を作ることが出来ず、その結果「低学力」が次の世代に持ち越されることになります。低学力を生み出しているのは本人の意欲の問題ではなく、社会的な背景が多くあるのです。このような低学力の子ども、経済的に恵まれない家庭の子どもたちを学校現場だけでなく社会全体、また教会の中でもどう支えるかは大きな課題だと思います。

求められる保護者と子どもたちへの支え

 現代世界憲章には、「家庭は豊かな人間形成の学校の一種である。」(52)と書かれています。しかし、豊かな人間形成の場である家庭が機能しないことがあります。それを支えていく必要があると思います。難しい状況に追いやられている子どもたちに関心を持つこと、そして保護者の悲しみや苦しみに共感し、裁くのではなく支えていくことが大切だと思います。何気ない日常の中で、さり気なく支え合えるような仲間が教会の中にできることを願います。        
文責 福音宣教企画室





   2015年 中学生会冬合宿
九条教会  松浦 留架
 

昨年12月28日から29日にかけて唐崎メリノールハウスで中学生会冬合宿を行いました!
今回のテーマは『つみき』でした。例年に比べ、うれしいことに参加者が多かったため今回は学年ごとに分かれて分かち合いをしました。「つみきのいえ」という音楽と映像だけの短編アニメーション(おじいさんがあることをきっかけに過去をふり返っていく話)をみんなで観てから、各班に分かれて自分たちの今までの経験や今がんばっていることなどを話しました。学年ごとの班にすることでお互いの話に共感するところも多く、班ごとにいろんな方向性で分かち合いが進められました。最後は「砂の上の足あと」(砂の上に足あとが自分の分と神様の分のふたつあり、ひとつしかないときは実は神様が支えてくれていた)というお話を神父様にしていただきました。「つみきのいえ」の動画ぜひ観てみてください!

 他にもクリスマスパーティーや卒業式なども行いました。卒業式では3年生が自分たちで考えてクオリティーの高い出し物をしてくれて、また合宿全体を通して見ていても1年生の頃からの成長がうかがえ、リーダーたちは親のような目線でその成長を喜んでいました。

 2016年3月の終わりごろにも春合宿を行いますので、たくさんの中学生の参加をお待ちしております!リーダーをしてくれる青年も募集中です!
   

    大塚司教 3 月
のスケジュール




1日(火) 10:00 メリノール女子学院高等学校 卒業式
2日(水) 10:00 長岡幼稚園感謝式 (河原町)
3日(木) 10:00 中央協 常任司教委員会
       15:00 〃  社会司教委員会
4日(金) 11:00 〃  列聖推進委員会
5日(土) 11:00 大塚乾隆 助祭叙階式(河原町)

12日(土) 10:00 京都ノートルダム女子大学 卒業式
13日(日) 9:30 三重北部ブロック司教訪問 (桑名)
14日(月) 14:00 司教顧問会
15日(火) 10:00 ノートルダム学院小学校 卒業式
       14:00 (学法)カトリック京都学園・京都南カトリック学園 理事会
16日(水) 9:30 京都聖母学院小学校 卒業式
      14:00 (学法)滋賀カトリック学園 理事会 (大津)
17日(木) 14:00 (社福) カトリック京都司教区 カリタス会 理事会
19日(土) 11:00 ステファノ 北村善朗師 司祭叙階25周年
             銀祝感謝ミサ(河原町)


20日(日) 14:00 大和八木教会 英語ミサ
23日(水) 11:00 聖香油ミサ
24日(木) 19:00 主の晩餐(河原町)
25日(金) 19:00 主の受難(河原町)
26日(土) 19:00 復活徹夜祭(河原町)

27日(日) 10:30 主の復活 ミサ(河原町)
       15:00 主の復活 ミサ(山国)

29日(火) 15:00 教区保育者研修会ミサ
29日(火)‐31日(木) 侍者合宿
30日(水) 13:30 メリノール女子学院理事会
31日(木) 11:00 神のいつくしみの特別聖年
             召命祈願ミサ(河原町)


 
 
 復活のイエスとの出会い
アンジェリコ






  3 月のお知らせ    



ガブリエル 大塚乾隆 助祭叙階式

2016年3月5日(水) 午前11時
カトリック河原町教会


 
《 教 区 》

聖書委員会/Tel.075(211)3484 (月)(水)(木)
 よく分かる聖書の学び (ヨハネ福音書を読む)
  日 時:30日(水) 10:30
  講 師:北村 善朗師/参加費:300円
  会 場: 河原町教会ヴィリオンホール


《修道会》
聖ドミニコ女子修道会
(京都修道院)
    Tel.075(231)2017 Fax.(222)2573
 みことばを聴こう!
  日 時:5日(土)14:00~16:30
  テーマ:托鉢のこころ
  担 当:Sr.中里郁子/対 象:青年男女
  会 費:300円(茶菓代)/申 込:2日(水)まで

ロザリオを共に祈る集い
  日 時:18日(金) 10:30~12:00


男子カルメル修道会(宇治修道院)
    Tel.0774(32)7016 Fax.(32)7457
 四旬節の黙想(中川 博道師)
  日 時:5日(土)17:00~6日(日)16:00
  テーマ:問題性から脱出すること
  参加費:6,500円

 水曜黙想(松田 浩一師))
  日 時16日(水) 10:00~16:00
  テーマ:キリストの過越
  参加費:3,000円

 社会人のための霊的同伴(松田 浩一師)
  日時:18日(金) 20:00~19日(土)15:00
  参加費:6,500円





《諸団体》
望洋庵/Tel. 075-366-8337
 青年のための聖書入門講座
  
日 時: 3日(木)19:00/17日(木)19:00( 参加費200円)

京都カトリック混声合唱団
 練習
13日(日)14:00/27日(日)14:00
    カトリック会館6階

コーロ・チェレステ(女声コーラス)
 練習 10日(木)10:00 /31日(木)10:00
      カトリック会館6階

聴覚障がい者の会
 手話表現学習15日(火)13:00
       カトリック会館7階

心のともしび 番組案内 
 テレビ
(衛星.CATV)スカイAスポーツプラス
  毎週土曜日 朝7:45
  シリーズ「小さな気づきを大切に」
   出演は 阿南孝也氏(洛星中学高等学校 校長)

 ラジオ(KBS京都) (月)~(金)朝5:55 (土)朝5:15
  3月のテーマ「新しいいのち」


教区広報委員会からのお知らせ

※ お知らせに載せたい情報は、原稿締切り日までに教区広報委員会宛に
   Fax.075(211)4345 かkouhou@kyoto.catholic.jp に発信者のお名前を明記してお寄せください。

    

※ 2016年5月号の原稿締切り日は 3月23日(水)です。


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