1995/12 No.217

京都教区時報12月号

・隣人を己れの如く

・インドへ友愛の手を!

・『開かれた教会づくり』の流れのなかで(つづき)

・初めてのクリスマスキャロル

・信徒使徒職養成コースから「福音センター養成コース」に改名

・あんてな


隣人を己れの如く

  

 京都司教 田中健一

 少々早目かもしれませんが、編集の都合でクリスマス及び新年のご挨拶を申し上げます。この機会に教区民のみなさんの上に、主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが豊かでありますように。

 1995年は戦後50年で信仰者の間においても過去を降り返えり、戦争の犠牲者に心からの哀悼の意を捧げ、反省と謝罪を表明し、平和の決意を具体策とともに固めました。

 日本という国は地理的にも、歴史的にも、文化的にも孤立した島国だと思います。美しい四季に恵まれ、儒教、仏教の影響もあって、そこに住む日本民族は誠実、勤勉といわれて参りましたが、日本人には一般的にいって最近は真の宗教の心がなく、御利益主義で、玉虫色で国際的に信頼されていないといわれます。隣人(外国人)の心を知らぬ大変利己主義な民族ともいわれます。「隣人を己れの如く愛せよ」という倫理の基準がありますが、四面海に囲まれた日本人には愛すべき隣人がいない、知らないということかも知れません。半島・大陸に位置する国々や民族は常に隣人とと関わらなければ生きて行けません。勿論そこには争いがあり、掠奪文化も生れて来たかも知れません。しかし一神教の核神文化をもっておれば、神のご意志は倫理の基準であり、正しい自己反省を促します。日本のように情況倫理で、戦時中のように情況が狂えば倫理の基準は無く、従って中国、太平洋の人々を平気で虐殺したものと思います。その戦後補償も政治的にだけ解決して、中国・太平洋の兄弟姉妹の心の傷を癒さないで今日に至っていると思います。ドイツなどの賠償の努力は涙ぐましいものであったと伺います。

 現在、世界の通信、文化網は大変な発展をいたしました。日本人の海外進出はどのジャンボ機も満席で世界中に散って行っています。次の世代を背負う人々がどうか多くの隣人に触れ、あらゆる異なりをもち乍らも人間同士であることその人間の尊厳さを福音的な心で開かれた日本人になってほしいと祈念しております。
 その日本人の中で数少ない私共は選ばれて神の国の福音に接しました。そして信仰者一人一人が福音宣教者であるように召されています。教区内で模索されている共同宣教司牧も原点はこの処にあります。宣教司牧は宣教師のみの特権ではなく信仰者全員の義務であり、喜びであります。この心情を成長させて行きたいと思います。

 1999年は日本民族が初めて福音に接して、即ち聖フランシスコ・ザビエルが来日して四百五十年に当ります。彼は鹿児島・平戸・山口で宣教し京都まで来られました。日本への中国影響を深く感じ、直ちに中国宣教の途につかれました。
 しかし病気のため中国大陸を眺め乍らサンシャン島で帰天されました。450年を前に日本司教団も勧めておりますので、私は秘かに来年9月20日から5日間の予定でサンシャン島巡礼を考えていることをご披露して、よりよき福音宣教者に一緒に成長して行く恵みを聖フランシスコ・ザビエルの取り次ぎでお願いしたいと思います。

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インドへ友愛の手を!

ノートルダム教育修道女会   
   シスター・ジーン・シュミッド
   シスター・ポーラ岩城

  「インドへ友愛の手を!」はノートルダム教育修道女会の活動の一つで、インドの子供たち、家族また地域が、教育を通して自立していくのを助けることを目的としています。

 1979年、国連「国際児童年」に始められ、今年で16年目になりますが、ノートルダムのシスターがインドに行っているわけではありません。日本ではスポンサーの方に援助金を出していただき、それをインドに送ります。インドでは「マリアの御心会」のシスターがそのお金を必要なところで活用します。もちろん、電話やファックスで連絡はきちんととり、一年か二年に一度は日本から視察に行くというシステムになっています。

 ノートルダム教育修道女会のアメリカ人のシスター・ジーン・シュミッドがAMOR(アジア修道女連盟)の書記としてインドに行き、そこで「マリアの御心会」のインド人のシスター・パッツィ・カーンに出会ったことからこのプロジェクトは発足しました。インドは貧富の差がはげしく、当時、シスター・パッツィのいらっしゃったインド西海岸のホナワ地方では人々は生活していくだけでも大変で、子供を学校に行かせる余裕はありませんでした。シスター・パッツィはその状況を憂え、日本から何らかの形で援助を得られないだろうかとシスター・ジーンに相談しました。一方シスター・ジーンは小学生の頃アメリカで、日本のノートルダムのために募金活動をした経験があります。その後シスターになって英語の先生として来日してみると、日本はずい分成長して豊かになっていたので、日本の中学高校生にも、よその国、特に同じアジアの国を援助することを教えたいと思っていました。そこで実際にホナワ地方を視察し、修道会と相談のうえ間接的に援助することになりました。

 先ず「マリアの御心会」のシスターたちが、子供のいる家を一軒一軒訪ねて学校に行かせるよう説得することからはじまりました。三・四歳の子供でもその家にとっては大切な収入源。その子供が幼稚園や学校に行ってしまうと、収入が減り、生活していけなくなる家庭もありました。そこで、日本からの援助で学校に行かせることを条件に、学費だけでなく、学用品、衣服などの生活必需品とその子が働いて得ていたお金を支給することになりました。

 このようにしてはじまった援助はどんどん広がり、今ではホナワ地方の他に15の地域を定期的に援助していますし、必要な時に援助する地域も10以上になりました。この15年間に小・中・高・大学・職業訓練校などを卒業した子供は1500人にものぼります。また、援助の内容も井戸掘り、トイレづくり、住居のたてかえ、医療関係、職業訓練校やストリート・チルドレンのためのオープン・スクール、社会福祉センターの設立など多岐にわたっています。将来はさらに意識の変革、特にしいたげられている女性の権利を守る方向で援助をしていきたいと思っています。

 日本ではカトリック系の学校からはじまった協力が、今ではその同窓会、各地の修道会、教区、各種市民団体と個人の方々に広がり、約3000人がスポンサーになってくださっています。事務局では年に二回ニューズレターを発行して、インドの状況を知らせたり、会計報告をしたりしています。また、毎年インド旅行を計画しています。

援助の方法・毎月2千円を送る
事務局・左京区松ヶ崎今海道町11の1 ノートルダム修道院
TEL・075(701)7228
火・水・金曜日 10時〜15時半

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『開かれた教会づくり』の流れのなかで(つづき)

 七月・八月号に掲載しましたテーマに対して、大阪教区「共同司牧を考える会」が、「小教区の現状把握のための物差し」という資料を作成しています。小教区の現状を見直すために活用して頂くよう、ここに掲載します。

1 『キリストをモデルとした教会』

「人となられたキリスト。人々の叫び、苦しみに耳を傾け、救いと希望を与えるために人々の中に飛び込んでこられたキリスト、そのキリストと同様に現実社会の中に飛び込んで行かねばならない教会。個人として、特に共同体として。共感・共有の必要性」

1.上記のような視点での共同体づくりを目指していますか。
 上記の視点が、信徒、司祭の間で、どの程度意識化されていますか。
 意識化させようとの具体的な計画がありますか。
 それは、個々人を対象とするものですか、共同体レベルのものですか。
2.上記のような視点で養成がなされていますか。
 新しく教会に来られた方に対する養成(いわゆる要理)の工夫。
 信徒の養成とその工夫。例えば聖書の分かち合い、体験学習、等。
3.上記の視点から典礼・秘跡を生かそうとの試みがなされていますか。
4.信徒は何のために日曜日に来ますか。
 「私」が救われればよい、との意識が強くないでしょうか。上記の視点が、ミサの中で深められるでしょうか。
5.信徒は教会学校に何を求めていますか。教会学校は何を提供していますか。
6.教会内で行われている様々な活動について、上記の視点での「意識」が行われていますか?どの様に行われているでしょうか。信徒の方から自然に行われていますか。
7.義務的な典礼中心主義の結果として、上記のような意図を持った人が教会から離れていませんか。
8.他の小教区や教会関係の事業体とのつながりが、上記の視点の中で行われていますか。
9.上記の視点から、教会外のグループとの交流は成されていますか。
10.「現実社会」をどの様に捉えていますか。小教区の位置する地域教会の中での「弱者」を具体的に把握していますか。(例えば、高齢者、滞在外国人)。これらの人々と「共感・共有」するための実践あるいは計画を持っていますか。

2 『転換』

(1)内向きの姿勢からの転換(地域=社会)

1.地域の人がどの様に教会を受け入れているのか知っているか?
2.来たくても教会に来れない人への関心を持っていますか?
3.宣教的な役割を持った委員会が存在するか?
4.地域の人々がどんな問題を抱えているのか知っているか?
5.地域の中で、教会の果たす役割を考える機関があるか?
6.地域の持っている特徴を、客観的に知っているか?
7.老人、若者、健康、住宅などの問題を話し合う場があるか?
8.国際的なつながりの中で、教会が考えられているか?
9。地域と共に歩む対応がなされているか?

(2)信者の為だけの共同体からの転換

1.始めて教会に来る人達を受け入れる体制が出来ているか。
2.信者ではない方の結婚式、葬式をどの様に受け入れているか。
3.教会のそれぞれの集まりの中で、信者でない方が入っているか。
4.教会それぞれの場が閉鎖的な雰囲気を持っていないか。
5.教会が、メンバーだけのものとなっていないか。

(3)裁く共同体からの転換

1.自由に物事が提案され、捉えられる雰囲気を持っているか。
2.社会や文化の中にある福音的なものを見分ける視点を持っているか。
3.教会の中で、青少年に対して、大人の視点ではない、独自の場があるか。
4.社会的な弱者への、配慮がなされているか。
5.一律的な基準や価値観で、物事が判断されていないか。
6.価値観は、弱者の視点に立っているか。
7.離婚者、犯罪者、若者の独自性が教会の中で受け入れられているか。
(つづく)

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初めてのクリスマスキャロル

 師走の大手筋商店街にローソクの光があふれ、百名を越す大聖歌隊の美しい歌声が響き渡った。

 十字架を先頭に祭服に着飾った司祭と侍者の子供たちや、お揃いの白い隊服に身を包んだ聖歌隊、手に手にローソクの幽美な光をきらめかせた総勢百二十名もの大行列に街の人たちはまずビックリ・・・。次々聞こえる清らかなクリスマスソングに今度はウットリ。
 最後には街の人たちや買物客までが一緒になって「きよしこのよる」「もろびとこぞりて」を大合唱し、まさに街全体がキリストの降誕を祝って大いにもりあがった夜であった。

 これは昨年12月23日に行われた桃山教会主催のクリスマスキャロルの光景である。
 「世界のすみずみに福音を述べ伝えよ」とのキリストの言葉によって布教を義務づけられた私たち。しかし一人一人で実行するにはあまりにも勇気と度胸と知識が無さすぎると尻ごみしてきた私たち。

 それでは、一人ではなくおおぜいでできる布教の方法はないだろうかと真剣に考え企画したのが、クリスマスキャロルである。
 三月、聖歌隊を募集、指導を岩井さんにお願いし厳しくもユーモアあふれる楽しい練習が始まった。
 また大手筋商店会に協力を要請する一方、大塚神父さまを介して聖母学院にも参加を呼びかけるなど実施に向けての具体的な活動を続けて、いよいよ迎えた当日。

 会場設営にすごい力を発揮してくれた裏方の人たち、熱い期待を胸に見守ってくれた聴衆役の人たちすべての人たちが神の栄光を歌い感動したあの夜。第二回、第三回とあの感動を続けて行きたい。

今年もいっしょにクリスマスの歌を唄いましょう。

 12月23日(土)大手筋商店街にて、クリスマスキャロル(キャンドルサービス)を行いますので、参加者を募集します。
 老若男女問わず誰でも参加できます。信者でない方も大歓迎しますので、お知り合いをお誘いください。
 練習日は毎月第2、第4土曜日の午前10時〜12時まで。
 練習場所は桃山教会大集会室
 参加を希望される方は、桃山教会聖歌隊まで連絡下さい。


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信徒使徒職養成コースから「福音センター養成コース」に改名

来年度の研修会予定発表

 信徒使徒職養成コースが発足したのは1980年です。発足当初すでに“信徒の時代”と呼ばれ、信徒のための養成プログラムが当センターで準備され、京都教区内外で十五年の間継続実施されて参りました。
 コース目録は基礎コース、みことばと典礼コース、病人司牧コース、社会と福音コース、祈り1・2コース、聖体奉仕者養成コース、コミュニケーションコース、そして今年より小教区出前コース等、教会の要望に応えた内容です。
 来年度から次の四点で変化を加えてみました。
一、信徒使徒職養成コースを、福音センター養成コースに改名。
二、従来二泊三日のコースだけでしたが、内容によって一泊二日のコースに短縮し、参加しやすい条件に。
三、基礎コースを休み、生活から福音へのコースを新設。
四、小教区出前コースの充実。

 教会の中は、社会の変化と共に教会への参与の仕方、教会のあり方も変わって来ました。特に、社会の高齢化、司祭不足、若者の教会離れ、外国人の移住者等から来る教会の対応も考えざるを得ない状態におかれています。
 司祭中心の教会から司祭不在の教会へ、小教区内の教会から地域社会に開かれた教会へ、義務・掟に囚われた教会から共感する教会へ、行事に追いたてられ動きまわっている教会から弱い人々とも共にいられる教会へ、外国人宣教師による教会から手造りの教会へと、こうして教会の持つイメージや姿は変わり、どんどん広がりと深まりを求めつつ、福音の精神に根をおろして、成長しようとしているようにも考えられます。
こうして成長しつつある教会、変容しつつあり旅を続ける教会の狭間にあって右往左往したり、痛み苦しんでいる人々も少なくありません。
 この現状で、教会共同体の構成員である私たち一人一人が教会に何を求め、何に魅せられて来ているのか、見きわめ、耳を傾けつつ、より充実した養成コースを実施して参りたいと思います。

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    1996年福音センター養成コース予定

4月20・21日 ウィチタ聖ヨゼフ竜安寺修道院
コミュニケーション・対話を通して豊かな人間関係をつくる

5月24日〜26日 宝塚売布黙想の家
病人司牧・病人訪問の心得、共同体と病人、自分を知る

6月15・16日 宇治黙想の家
養成コース・社会の中でキリスト者を生きる

5月31日〜6月2日 ノートルダム唐崎祈りの家
祈りのコース1・自分に聴き、神に聴く、さまざまな祈りの体験

7月6・7日 三重研宗館
養成コース・社会の中でキリスト者をする

9月28・29日 野外礼拝センター
典礼コース・典礼を通して共同体のあり方を学ぶ

11月22日〜24日 ノートルダム唐崎祈りの家
祈りのコース2・自分に聴き、神に聴く、内面からキリストに回復していく

依頼された時 各教会で出前コース・教会と社会と私

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JYD(ジャパン・ユース・デイ)
  −京都教区の若者たちよ、いざ埼玉へ−

 今、日本中のカトリックの青年たちが一つになろうとしています。来年9月、埼玉で第一回「ジャパン・ユース・デイ」が開催されます。この「ジャパン・ユース・デイ」は、イベントであると同時に、ずっと続いていく福音運動でもあるのです。たとえば「学園祭」のようなものであり、日常のクラブやサークル、そしてクラスなどの発表のような場であるのです。
 JYD(ジャパン・ユース・デイ)で一番重要なことは、イベントだけではなく、日常のカトリック青年の活動なのです。本部東京に、JYDオフィスが設置され、全国の青年の団体や活動の情報が集められます。例えば、私はこの夏、アジア体験学習で、フィリピンへ行きましたが、このようなアジアへ行った青年のグループは、全国で他にもあることでしょう。本部のオフィスを通して、各地で
こうした活動をしている青年たちと、出会い交流を深め、情報を交換したりできるのです。JYDは今年の10月10日に発足され、動き出したばかりです。ここに全国のカトリック青年の活動を登録する必要があるのです。こんなクラブを
作ってみたいとか(例えばテニスクラブや無線クラブなど)こんな活動しているところはあるかしら?という風に思ったとき、JYDオフィスを利用すればいいのです。
 こういった活動を日々送り、来年9月、さまざまな活動をしている全国のカトリック青年が、埼玉に集まり、交流を深め、生きた福音を分かち合い、広めるのです。
 私たち京都教区の青年も、これに参加しようではありませんか。JYDが作られらことにより、京都教区の青年たちが集まる機会がつくられました。こうした動きは、全国でも見られることでしょう。
 日本における青年の活動において、何かが動き、何かが変わろうとしている。ここに神様の大きな愛の力の存在を感じずにはいられません。

 

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